住宅ローンの返済を済ませた後に、貯蓄に回せる余裕資金が手元に残るという人は
変動金利を選んでもいいでしょう。
これまで蓄えた預貯金がある人も、金利変動リスクを受け入れることが出来ます。
注意が必要なのは、10年後・20年後も貯蓄ができているか
あるいは貯蓄が残っているか
長期的な視点で考えてみることです。
今は子どもが小さいので教育費がほとんどかからず
貯蓄ができているという人も、
子どもが高校・大学に進学した時の
家計収支を予想してみてください。
教育費がかさみ貯蓄する余裕がなくなる時期に、
タイミング悪く金利が上がるということが
起こらないとは言い切れません。
最後の返済が終わるときまで、
たとえ返済額が増えたとしても
余裕資金で返せる人が変動金利に向いています。
<変動金利に向いている人:その2>
今後、収入UPが期待でき、月々返済額が2~4万円上がっても返せる人
万一金利が上がった場合、
月々返済額が25%は上がることを想定しておきましょう。
月々の返済額が10万円ならば2万5千円
月々の返済額が15万円なら3万7,500円の増額となります。
なぜ25%かというと
多くの金融機関が取り扱っている変動金利には、
「125%ルール」というものが適用されているためです。
「125%ルール」とは、金利が上昇し返済額を見直すときには、
125%を上限として見直されるルールをさします。
例えば、金利上昇前の月々返済額が10万円の人は、
金利がどんなに上がっても
見直し後の返済額は12万5千円(10万円×125%)となります。
金利が急激に上がり
本来の計算では12万5千円に収まらない場合、
未払い分は次の見直し時に繰り越される仕組みです。
このように、変動金利で借りる以上は
将来利上げがあることも覚悟しておく必要がありますが、
今後収入UPが期待でき
月々返済額が2~4万円上がっても問題ないという人は
変動金利に向いています。
<変動金利に向いている人:その3>
完済するまでの返済期間が短い人
返済期間が短ければ短いほど金利変動のリスクは弱まります。
家族が増えたら買い換えを予定している
近い将来実家に戻る予定がある
退職金が入った時点で一括返済するなど
完済するまでの期間が比較的短い人は
変動金利に向いています。
<変動金利に向いている人:その4>
金利の動向に敏感で、金利が上昇したときに対策がとれる人
変動金利は原則、半年毎に金利が見直しされます。
金利が右肩上がりに上昇を続ける局面では、
早い段階で
「固定金利に借り換える」
「繰り上げ返済をする」
などの対策が必要です。
ここで厄介なのが
変動金利特有の「5年ルール」によって
金利上昇に気づくのが遅れる可能性がある点でしょう。
「5年ルール」とは
金利が変動した場合でも
月々の返済額の見直しは
5年毎にしか行わないというルール。
一部の金融機関を除き
ほとんどの変動金利商品に適用されているルールです。
変動金利で借りる以上
5年ルール・125%ルールは正しく理解しておく必要があるでしょう。