住宅ローン金利は
2022年からアメリカの金利上昇につられるかたちで
固定金利がまず上昇をはじめました。
その後、
2024年3月31日にマイナス金利が解除されると
ついに変動金利も上昇がはじまります。
2024年10月には多くの銀行で
変動金利が+0.15%~+0.25%
引き上げられたところです。
このようにすでに
固定金利も変動金利も
金利上昇が始まっていますが
変動金利を選ぶ人が減っているどころか
増えており
およそ8割の人が変動金利を選んでいます。
出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査 2024年4月」
「住宅ローンに関する顧客アンケート調査 2004年度」
固定金利で借りるべきか
変動金利で借りるべきかは
家計や保有資産の状況
今後何年返済を続けるのか
年収に対して住宅ローンの返済が占める割合がどれくらいか
またその人の性格や
金利に対するリテラシー、
資産運用の経験の有無、
運用しているのであれば
運用成果をどれくらい挙げられているのかなどによって
異なります。
したがって
一概に
変動金利がいいのか
固定金利がいいのかは言えず
どちらが正解かは人それぞれです。
住宅購入後の家計や貯蓄残高の推移を
長期的な目線でシミュレーションしてみたり
住宅購入後のライフプランを予測してみて
ご自身の家計にあった方を選んでください。
ただし、
今のように金利先高が強まっている時に
変動金利を選ぶ場合は
金利上昇のシミュレーションをしておくことが
大切です。
ここで難しいのは
金利の上昇をいつどれくらいの幅で上がると
想定するかという点ではないでしょうか?
平井FP事務所では
過去40年の住宅ローン金利動向や
日本銀行の金融政策などを分析し
現時点では今後一定期間に
金利が次の3パターンで上がると想定して
金利上昇シミュレーションをしています。
【金利上昇想定シナリオ】
楽観シナリオ | 今後一定期間の後、 累積で+0.5%上昇 |
中間シナリオ | 今後一定期間の後、 累積で+1.0%上昇 |
悲観シナリオ | 今後一定期間の後、 累積で+2.0%上昇 |
一定期間というのがどれくらいの期間なのか
何年後に上昇すると想定するか
ここがまた難しい点です。
金利上昇が起こるタイミングが早ければ早くなるほど
返済額は増えます。
ローン残高がまだまだ多い時期だからです。
あらゆるリスクのシミュレーションする時には
最悪の事態も想定しておくことが
ポイントになります。
最悪の事態を想定し
そこをなんとか乗り越える対策をとっておけば
実際にはそこまで金利が上がらなかった場合には
家計は問題ないと判断できるからです。
そこで、
先日、日本銀行の金融政策決定会合のメンバーの一人が
「2026年までに最低1.0%程度まで短期金利を上げる必要がある」
と強気な発言をされた事を受けて
今後2年間の後に累計で
<想定①>+0.5%
<想定②>+1.0%
<想定③>+2.0%
金利が上がるシミュレーションをしてみました。
【借入額5000万円・35年元利均等返済】
5年・125%ルールが適用される前提のシミュレーションなので
5年後にそれぞれ
<想定①>+1万2445円
<想定②>+2万6049円
<想定③>+5万5905円
ずつ月々の返済額が増えます。
結構な負担増です。
本当にここまで上がるかはわかりませんし
20年後・30年後には+2%を超えて
もっと金利が上がっているかもしれません。
いずれにしても
あらゆる想定をして
返済額が増えても対応できるよう
住宅ローンを借り過ぎないようにしてください。
既に返済中の方は
今のうちに
☑無駄な支出をなくして貯蓄を増やす
☑資産運用のパフォーマンスを上げて収入を増やす
☑専業主婦の奥様がパートにでて収入を増やす
など対策をしておくと安心です。
今後の住宅ローン金利上昇について
みずほ不動産販売のサイトでも取材を受けたコメントをしているので
良かったら参考にしてください