住宅ローンの借り換えには
おおむね借入額の3%程度の諸費用がかかります。
借り換え先や今借りている
住宅ローンの種類などによって異なるので
実際には個別にシミュレーションをして
確認するようにしてください。
ここでは
一般的な借り換え時の諸費用についてお伝えします。
借り換えにかかる諸費用は
借入額の3%程度ですので
たとえば借入額が3000万円であれば約100万円
5000万円であれば約150万円もの
諸費用がかかります。
それでは
借り換えにかかる諸費用の中身を確認していきましょう。
借り換えにかかる諸費用
<新たな借り換え先の金融機関に払う諸費用>
①金融機関宛て事務手数料(融資手数料型商品の場合)
借入額の2.2%
(例)借入額3000万円 ×2.2%=66万円
②保証会社宛て保証料(保証料型商品の場合)
借入額、返済期間、返済方法によって異なるが
最大で借入額の2%程度
(例)借入額3000万円、返済期間30年、元利均等返済
⇒保証料約58万円
※最近は融資手数料型の商品が主流だが
保証料型商品を選ぶ場合は
①の金融機関宛て事務手数料の代わりに
保証会社宛ての保証料がかかる。
融資手数料型商品を選択した場合は
この保証料は不要。
つまり選択した商品によって
①か②のいずれかの諸費用ががかかる。
③印紙代
金銭消費貸借契約書に貼る印紙
電子契約であれば無料。
従来の書面契約ならば借入額に応じて
以下の金額が必要。
借入額 | 印紙代 |
1000万円超5000万円以下 | 2万円 |
5000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 |
④保証会社宛て手数料
金融機関によっては
①事務手数料(融資手数料)や②保証料とは別に
2~3万円程度かかる場合がある。
かからない金融機関も多い。
⑤金利選択手数料
当初固定金利を選択する場合
金融機関によっては1~2万円程度かかる場合がある
変動金利を選択した場合は不要。
そもそもかからない金融機関の方が多い
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<従前の借入先金融機関に払う諸費用>
⑥完済手数料
金融機関や商品によって異なるが
一般的には2~5万円程度
⑦経過利息
前回の返済日から完済日までの未払い利息を
払う必要がある。
ボーナス併用返済を選択している場合
経過利息が10万円程度になる場合もある。
借り換え先の金融機関のシミュレーションでは
経過利息の計算までは出ないので要注意
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<司法書士に支払う登記費用>
⑧抵当権抹消登記費用
従前のローンの抵当権を抹消する費用
ローンの本数にもよるが
一般的には2~3万円程度
⑨抵当権設定登記費用
新たに借りるローンの抵当権を設定する費用
登記費用の内訳は以下の通り
費目 | 支払先 | 金額 |
登録免許税 | 国 | 借入額×0.4% |
司法書士報酬 | 司法書士 | 相場は10万円前後 ※司法書士によって 異なる |
※登記されている住所が現住居と異なる場合は
「住所変更登記費用」が別途2万円程度かかる
※出張の回数が多かったり
調査にかかる費用が多い場合は
別途「出張費用」「日当」がかかることもある
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<借り換えに伴い戻ってくる費用>
⑩戻し保証料
現在借り入れしているローンが保証料型のローンであり
借入れ当初保証料を一括で払った場合は
戻し保証料が返金されることがある
(例)当初借入額5000万円、35年元利均等返済
5年後に完済した場合・・・戻し保証料:約63万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
借り換えにかかる諸費用についての説明は
以上の通りですが、
よりイメ―ジがしやすいように
最近借り換えをされたKさんの事例で
かかった費用を見てみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<Kさんの借り換え事例>
借入額:3,630万円(ローン残高3511万円+諸費用119万円)
事務手数料 | 798,600 |
登記費用 | 270,000 |
完済手数料 | 33,000 |
経過利息 | 90,000 |
合計(概算) | 1,191,600 |
借り換えにかかった諸費用・・・119万円
119万円 ÷ 3630万円 = 3.28%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結構かかりますね!
借り換えには多額の諸費用がかかります。
ただし、ほとんどの人は
諸費用を自己資金で払うことはしません。
ローンの残高に諸費用を上乗せして借り入れをし
融資を受けた金額から
諸費用を支払うのが一般的です。
そのため
諸費用も含めて借り入れをして
それでもメリットが出るかどうかを
シミュレーションで確認して
借り換えをする必要があります。
Kさんの事例でも
諸費用も借り入れをしているので
持ち出しはゼロ円です。
そして諸費用も含めて借り入れをしても
総返済額を▲234万円も削減できたので
借り換えをしてだいぶ得をされました。
ただし、人によっては借り換えをすると
損するケースもあります。
借り換えに伴う諸費用は
うっかり見落としがちです。
ローンの契約した後で
司法書士や従前の金融機関から費用の案内があって
初めて知ったという
ケースも少なくありませんので
事前にきちんと確認するよう
注意をしてください。